広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    叡啓大学の初代学長に就任 / 有信 睦弘 氏
    NEWSな人
    観光観劇で広島を活性化 各国での興行経験生かす / 白A 佐藤 良介 代表
    2月22日に時短営業解除 流川のにぎわい再来願う / 旬菜旬魚 孝し 須藤 孝 オーナー兼大将
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
グリーンパウンズ白島 / 髙岡 和彦 店主

オーガニック素材でつくるパウンドケーキ、有機栽培された生豆を自家焙煎したコーヒー豆、1本1本厳選したオーガニックワインなどを販売、提供する。髙岡和彦店主は、
「なぜオーガニックなのかと聞かれますが、より良いもの、本来あるべき姿を追求した結果、オーガニックにたどり着きました」
 パウンドケーキは珊瑚の塩、多良間島の黒糖、嬉野アールグレイなど8種類を用意し、どれも素材の味が生きたやさしい味わいが特徴。毎朝10時半〜11時に焼き上がるオーガニックベーグルも好評という。毎週水曜には東広島市の有機農園「あらちゃんファーム」の野菜も販売する。
「日本の食品添加物数は世界一です。私自身もできるだけオーガニック食品を口にするよう努めており、健康そのもの。最近は『オーガニックがかっこいいから』と始める方もおり、どんな形であれ、多くの方に良さが伝わればうれしい」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区東白島町4-15
  • ◆電話:082-227-8095
  • ◆席数:12席
  • ◆営業時間:午前10時〜午後7時(日・祝日=午後6時半)
  • ◆定休日:火曜
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
荒谷建設コンサルタント / 荒谷 悦嗣 社長

中区江波本町に本社を構え、地質調査や測量、土木設計、公共インフラの整備事業を手掛けています。近年では、エリアマネジメントや官民連携のまちづくり事業にも注力しています。
 私は1975年10月15日生まれで、カープが後楽園球場でジャイアンツに勝って球団創設26年目にして初優勝した記念すべきその当日に、広島市でこの世に生を受けました。
 子供の頃のカープ黄金時代では、衣笠祥雄さんと高橋慶彦さんが好きでした。ハンサムで走攻守三拍子そろったスター選手の慶彦さんに憧れており、後に村上龍氏の「走れ!タカハシ」や海老沢泰久氏の「ヴェテラン」を読んで、ますますファンになりました。衣笠さんには、私が広島青年会議所の理事長を務めていた6年前に直接ごあいさつする機会をいただき、カープへの思いを一方的にぶつけるぶしつけな若造の話を優しく聞いてくださったことが忘れられません。名刺交換をしたところ、衣笠さんの方からEメールをくださったのには驚きました。衣笠さん亡き今、いただいた名刺とEメールは私の宝物です。
 現役選手では、大学の後輩にあたる矢崎拓也投手を応援しています。力強いストレートはチーム随一なので、背番号が変わった今年こそ捲土(けんど)重来で先発ローテーションに入り、ノーヒットノーランを実現していただきたい。
 最近は、レンジャーズ有原航平投手、バファローズ山岡泰輔投手、マリーンズ井上晴哉選手ら広島市出身の選手にも注目しています。いつか彼らが地元広島に戻って、カープのユニホームを着る機会があればいいですね。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
飛べ、テントウムシ

旬の野菜は格別。採れ立てはなおさら。各地の産直市に作物本来の味を求めて多くの人が押しかける。市内中心に飲食店を展開するインスマート(西区商工センター)は当初、自社の居酒屋やレストラン用に供給するため、農薬を使わない農業に乗り出し、今年4月で9年目に入る。
 東広島市西条町の休耕田を畑に、3年間は2ヘクタールで50品目を作っていたが、現在は5ヘクタールに広げ、大根や茎ブロッコリーなど11品目に絞る。需給バランスなどを考え、3年前から収穫量の約8割をJA広島中央に出荷している。担当の坂田一樹さんは、
「野菜のおいしさを届けたくて露地栽培にこだわった。きれいに均質に作るのは難しくハウスものに比べて見た目は劣るが、圧倒的においしい。しかし店頭で手に取ってもらうには見た目が決め手。そうすると本来のおいしさはなかなか伝わらず、悩ましいところだ。もともと東広島出身で農業は子どもの頃から身近にあった。農作業を手伝うこともあったが、将来自分でやりたいとは少しも思えなかった」
 地元での営農に意欲はわかなかったが、農業を始めた頃に1歳の長男が同じトウモロコシでも見た目のきれいな、買ってきたものは口にしようとしなかったのに、わが家の畑で作ったトウモロコシをむさぼるように食べてくれたことが強く印象に残った。いまは農作業を手伝ってくれる学生らにも好評だ。数年前からはJA産直市「とれたて元気市となりの農家店」に出す野菜の袋にテントウムシをデザインしたシールを貼って出荷。売れ行きは好調で一定層のファンが増えてきたという。
 八本松地域も再開発が進む一方で休耕田が増える。同社に耕作依頼が舞い込むものの現状では人手に余裕がなく引き受けられない。そんな中、県の伝統野菜「下志和地青ナス」を東広島の特産にしようと「あおびー倶楽部」を2018年12月に設立。この品種は、果色が茄子紺という伝統色の名称でもあるナスの色とかけ離れた淡い緑色だが、果肉は柔らかく、あくが少ないのが特徴だ。昨年末に特産物部門で東広島市農林水産ブランド「東広島マイスター」認証を受け、インスマートは生産者部門、サツマイモの紅はるかをあんに使った和菓子「紅はるかの月」は商品部門でそれぞれ認証された。
 青ナスの種子は、(財)広島県森林整備・農業振興財団の農業ジーンバンクから借り受けた。同バンクは現在、県内に現存する作物種子約1万8600点を保存し、伝統野菜の復活を支える基盤として機能している。貸し出しは年間で80〜100件に上る。近年は有機農業を営む農家からの要望が多いという。09年に実施された〝広島お宝野菜〟プロジェクトの選定15品目に青ナスも含まれる。バンクの船越建明さんは、作物の特性を理解し生育に合った地域や栽培が一番大事で、地道にやる努力が欠かせないという。
 坂田さんは土地に合った伝統野菜で打って出ようと、青ナスの栽培を始め、14年に初出荷。仲間に呼び掛け現在、志和や福富、西条の新規参入やUIターンなどの若手7農家が参画し、東広島のブランド化を目指す。
「広島県のナスは青い、と言われるまで産地化したい」
 飛べ、テントウムシ。

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